「寂しいから咳が止まらないの?」
宇都宮市で女性の健康をナビゲートする鍼灸マッサージ治療院 まんまる堂です。
生理不順 ・ 生理痛 ・ 不妊 ・ 妊活 ・ 妊娠期 ・ 産後 ・ 更年期以降をサポートします。
ずっと前から気持ち悪いな~と思っていることがあります。
それは
「お子さんの咳が止まらないのは、お母さんの愛情がたりてないのでは?」とか
「お母さんの気が他に行ってるから、寂しくて『かまってほしい』という感情から咳が出てる」
と決めつけちゃう解釈。
この話の根拠になっているのは・・・五行説だと思われます。
五行説の「五情」のこと
上の表は、五行説の代表的な項目をまとめたもの。
フリー画像のサイトからお借りしてきました。
今日ここで見ていただきたいのは、「感情」の項目。
五行の考え方では、肝 ・ 心 ・ 脾 ・ 肺 ・ 腎 の五臓にそれぞれ関係が深い感情があるとしています。
- 肝 → 怒
- 心 → 喜
- 脾 → 思(思い悩む・心配ごと)
- 肺 → 悲(憂)
- 腎 → 恐(驚)
これがその組み合わせです。
お子さんと母親の関係に置いて、「肺 → 悲・憂」の部分だけをピックアップして説明されている話をこれまで患者様から何度も聞く機会がありました。
この部分の東洋医学的な説明をザクッとすると、
「肺を傷めると悲しみ(哀しみ)の感情が起きやすくなる」
「悲しみ(哀しみ)の感情が強いと、肺に関わる症状が身体に出る」
という考え方です。
東洋医学で病気の原因と考えられているもの
では、ここで東洋医学で考えられている「病気の原因」についてザクッと簡単に説明しますね。
大きくは、次の3つのことが原因であると考えています。
- 外因(六邪)
- 内因(七情)
- 不内外因(外因でも内因でもないもの)
外因
外因とは、体の外にある原因のことで、「風・暑(熱)・湿・燥・寒」などの季節ごとに身体を取り巻く外気のことを言っています。
- 春 → 風
- 夏 → 暑(火)
- 長夏 → 湿 (※長夏→中国の古典では夏の後の時期を指します)
- 秋 → 燥
- 冬 → 寒
というのが、それぞれの季節に対する組み合わせになりますが、これらの外気が「邪」となって身体に影響を及ぼすことで病になると考えています。
みなさんがよくご存知なのは「風邪」ですね。
風の邪が身体に入ると、「風邪」の症状が出るという考え方です。
邪となりうる外気が火も加えて、六個(六気)あるため 外因は「六邪(ろくじゃ」とか「六淫(りくいん)」とも呼ばれています。
場合によってはいくつかの邪が組み合わせになって、人体に影響を及ぼすこともあります。
(日本の夏などでは、湿邪と暑邪(火邪)などのコンビネーションになることも)
内因
これは、特定の感情が長く続いたり、急激に強く起きたりすると、それに強く関連している臓器が失調して病になるという考え方。
身体の中の問題ですので、内因として考えられています。
- 肝 → 怒
- 心 → 喜
- 脾 → 思(思い悩む・心配ごと)
- 肺 → 悲(憂)
- 腎 → 恐(驚)
( )内の 憂・驚き も含めて、病気の原因となる感情は 7つと考えられているため、「七情(しちじょう)」と言われています。
これは上に書いた五情に憂・驚が加わり、7つとなっています。
有る感情が高まりすぎる、長引きすぎると、関連する臓器が痛み、病になる。
五臓(肝 ・ 心 ・ 脾 ・ 肺 ・ 腎)のいずれかが痛み病になると、それに関与する感情が出やすくなる。
という考え方です。
不内外因
上に書いてきた外因でも内因でもないものという意味の「不内外因」。
イメージ的には現代で言う「生活習慣」を原因として病が起きるという考え方です。
飲食不節
主に不適切な食事が病の原因になるという考え方。
- 食事の量の問題(多すぎ、少なすぎ)
- 偏食
- 不衛生な食べ物の摂取
- アルコールの摂りすぎ
- 味の濃いもの脂っこいものの摂りすぎ
などをいいます。
労逸
労倦(働きすぎ)と安逸(休みすぎ)の2つのことをいいます。
労倦は働きすぎ・動き過ぎによる身体的な疲労(過労)、精神的な疲労(心労)のことを指します。
労働や運動が過度になったり、適度な休息が取れなかったりすると病なると考えています。
安逸は、簡単に言うと運動不足のようなことです。
健康を維持するには適度な労働や運動が必要と考えているため、それらを長期間せずに怠惰な生活を送っていると病になりやすいと考えています。
房事過多
性生活のことを「房事(ぼうじ)」といい、いわゆるSEXのしすぎを「房事過多」といいます。
適度な性生活は体内の陰陽バランスを調整し健康に寄与すると考えられています。
ただし、それが過ぎると様々な症状が出てくると考えられています。
疫癘
これは、いまでいう「感染症」のことです。
症状が出る原因はさまざま
ざっくりとですが上に書いてきたように、症状が出る(病になる)原因はさまざまです。
「お子さんにかまってあげてないから咳が止まらないんじゃないの?」
という言い方は、もちろんあながち外れていないこともあります。
でも単に外気(外邪)の影響を受けている場合もあれば、場合によっては保育園などで風邪(感染性の病気)を伝染されている場合もあります。
このあたりの話をなさる方の中には
「お子さんが咳をしたら(寂しい、かまってほしい)のサインだから、気をかけてあげて」
という部分だけをクローズアップして話される方もいるようで、お子さんの咳が止まらずにご自身を責めているお母さんがいらっしゃいます。
中にはとても時間も気持ちもかけてお子さんに接しているお母さんまで、その言葉を責めとして受け取って悩まれている事があったりします。
何度も書きますが、感情のサインの一つである可能性も否定はしません。
そこからいつも以上にお子さんに気をかけてあげて、よりスキンシップをとってあげることは免疫力UPなどにも繋がり悪いことではないと思います。
ただ、明らかに保育園や幼稚園でもらってきた風邪からの治りづらい咳まで「子供が寂しいからだ」と思う必要もないとまんまる堂は考えています。
可能性は見逃さず、でもここまで書いてきたように原因はいろいろ考えられますので、感情のせいだと決めつけずに対応していただけたらいいかな、と。
五行説にも記されている通り、感情と身体(健康)の関係はたしかに深いです。
でも、それだけでない(それ以外のこともたくさん書かれている)ので、こういうケースの話を耳にし、ご自身を責めているお母さんたちの姿を見るたびに、東洋医学の考え方を変に偏ることなく、もう少し広く生活に取り入れていってほしいな~と思うまんまる堂ですなのです。
※もっと詳しく東洋医学のことを学びたい方は、ぜひ東洋医学講座を受けにいらしてください。
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